平成〜令和2015年〜

天神ビッグバン・博多コネクティッド

天神地区では「天神ビッグバン」(2015年〜)、博多駅周辺では「博多コネクティッド」(2019年〜)として、規制緩和を生かした古いビルの建て替えが進んでいます。耐震性や環境性能の高いビルへの更新は、私たち設備設計の仕事とも深く関わっています。

天神地区を上空から望む
写真提供:福岡市

天神は福岡空港に近く、航空法によって建物の高さが制限されてきました。一方で、明治から大正にかけて官庁街・ターミナルとして育ったこの街では多くのビルが建て替えの時期を迎えており、警固(けご)断層による地震のリスクも踏まえて、耐震性の高いビルへの更新をどう進めるかが課題になっていました。

高さと容積、二つの規制緩和

転機は2014年(平成26年)5月の国家戦略特区の指定です。航行の安全に支障のない高さをエリア全体の目安として先に示す特例が認められ、同年11月に天神明治通り地区で約67mから約76mへ、2017年には一部で約115mまで高さ制限が緩和されました。これに2008年に定めた市独自の容積率緩和制度を組み合わせ、2015年(平成27年)2月に「天神ビッグバン」が始動します。対象は天神交差点から半径約500m、約80haの範囲です。2016年には、デザインや緑化などにすぐれたビル計画を認定し、容積率の上乗せ(最大50%)などを与える「天神ビッグバンボーナス」も設けられました。

期限の延長と、博多への広がり

ボーナスの対象は当初2024年末までに竣工するビルでしたが、2020年には、感染症対策に取り組むビルについて2026年末まで延長されました。2026年3月末までに85棟が竣工し、天神ビジネスセンター(2021年)、福岡大名ガーデンシティ(2023年)、ONE FUKUOKA BLDG.(2025年開業)などが街の新しい顔になっています。

2019年(平成31年)1月には、博多駅から半径約500mを対象とする「博多コネクティッド」も始まり、こちらのボーナスは2028年末までに竣工するビルが対象です。2025年4月からは、一定以上の緑化を行うビルを後押しする「グリーンボーナス」も加わりました。

設備から見たビルの更新

認定ビルには、免震構造や長時間運転できる非常用発電機、ダブルスキンや屋外テラスを生かした自然換気、非接触で呼べるエレベーター、地域熱供給や高効率の空調・照明など、設備面の工夫が数多く取り入れられています。地震への備え、省エネルギー、換気といったテーマは、建物の安全と快適さを支える設備設計の中心的な課題でもあります。

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